生活デザイン学科では7日間のパリ海外研修を実施しました。
2019年10月31日
生活デザイン学科では、2019年8月28日から9月3日の7日間、パリ海外研修を実施しました。
到着翌日の2日目は、ヴェルサイユ宮殿を訪問しました。ルイ14世による宮殿の整備とその政治的背景や、また王が率先して新しい流行を生み出すことで図られた重商主義的経済の発展と国家政策としてのファッションの起源について学びました。午後にはイヴ・サンローラン美術館を訪問しました。サンローランによる数々の代表的スタイルが並ぶ中、学生たちは卓抜したアイデアの源泉とそれを多くの職人たちが形にしていった現場を見学しました。
3日目には、現存するフランス最古の服飾系学校A.I.C.P.(Academy International Cutting De Paris)を訪問しました。A.I.C.P.はモデリスト(パタンナー)の養成学校で、卒業者の多くはシャネル、ディオール、サンローランなどの有名メゾンで活躍しています。ここでは校長先生のお話を伺い、授業風景も見学しました。
その後、ルーブル美術館を訪れ、服飾史において重要な時代の絵画や彫刻を解説とともに見学し、作品から各時代の服飾の特徴などを発見しました。
4日目は、オルセー美術館にて19世紀半ばから20世紀初頭にかけての絵画や彫刻を見学し、服飾の変遷と時代背景、材質、ドレスコードの違いなどを学びました。その後パリで10年以上にわたり活躍するファッション・デザイナーの石井美佳子さんのブランド「AMBALI」のショップを訪問しました。石井さんにインタビュー形式で、ショップの開店とこれまでの運営や、ブランドとしてのこだわり、昨今のインターネット時代への対応など、様々な話を伺いました。学生たちは、ブランド経営者の話に大きな刺激を受けると同時に、ファッション・ビジネスについての視野が広がったようでした。
その夜には、石井美佳子さんと、ファッション業界で活躍する齋藤統さんにお越しいただき、交流会を行いました。齋藤統さんは、1980年にパリコレデビューを目指すファッション・デザイナー山本耀司氏がヨーロッパで会社を立ち上げた時に社長を務めたほか、イッセイミヤケ・ヨーロッパの社長も務めるなど、日仏のファッション業界で活躍をされ、2008年にはフランス政府から芸術文化勲章を授与されている方です。学生たちはパリで活躍されるファッション業界の方々の話に熱心に聞き入っていました。
5日目は、ルイ・ヴィトン財団が所有する美術館「フォンダシオン・ルイヴィトン」や、19世紀のパリを象徴する商業施設パサージュを見学した後、世界最大級の百貨店「ギャラリー・ラファイエ」や「プランタン百貨店」でポップアップストアや各ブランドの店舗のディスプレイを見て回り、VMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)の調査を行いました。ブランドの世界観を消費者に伝える創意工夫に触れ、学生たちはVMDの可能性を実感したようでした。
世界最先端のファッション拠点であり続けるパリで、ファッションに特化した様々な体験から多くの学びを得た研修となりました。
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